お前が即ろうとしているのは、即系だろ？

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お前が即ろうとしているのは、即系だろ？

2013.05.13

ストリートナンパ
line×4
連れ出し×1

　この日はno.76とのアポを予定していた。彼女が仕事が終わって、ホストクラブへ行く。そのあと、俺と会い、自宅で一泊して、翌朝彼女は俺の家から出勤する手はずになっていた。

　俺はその予定を組みながらも、彼女が約束を反故することも想定していた。ホストクラブで飲み、そのままの流れで店の営業終了時間まで滞在するかも知れないし、店から出た後、ナンパ師やスカウトに捕まり、そのまま連絡がつかなくなる可能性もある。
　まだ、お互いに信頼関係なんてない。でも俺は彼女は来るだろうと信じてしまった。

　K街に着き、ナンパを開始する。最近、自身のナンパテクニックを電子書籍化されたモリマンディ・レイさんにお会いする。コナンさん、shさん、他数名のナンパ師と遭遇。

　俺は軽く地蔵トークをして、といっても地蔵する人間はいないのでナンパ話しなんだがｗｗ
　お互いの近況を報告しあう。shさんはかなり街に馴染んだ服装になっていた。なんでも俺や○○様の服装を取り柄れているらしい…？　社交辞令的なものかもしれんが…。

　コナンさんはすでに1即済ませていて、俺はそのバイタリティーに驚かされる。「もう、1即したんだから満足じゃないですか？　帰らないんですか？」と聞くと、「ヘアメしたんだから、もう1即はしないと…」と、一日何即もしてしまうナンパ師は考え方が違う。実際、彼はこの日2即目を達成している。

　俺は○○○前で人待ちをしているアメリカ人に声を掛ける。話しを聞いてみると、レズビアンらしく、彼氏ではなく「彼女」の写真を見せて貰った。背も高くモデルのように綺麗だった。V系バンドが好きらしく、その話しで盛り上がりLINEを交換した。最近は俺は女に番号さえ聞かなくなった。LINEのやり取りに慣れてしまい。番号やメールアドレスを聞いても結局は使わないからだ。それにLINEには無料通話もある。
　このアメリカ人は何としても落としてみたいと思った。レズビアンはネックではあるが、V系好きという所から、「日本男児」はOK！　って女がいることを経験則で知っている。　
　俺は自分の可能性を信じて、アポ打診を続けることにした。V系ネタを中心に段階を踏んで彼女の心に攻め入るうつもりだ…。

　コナンさんもレイさんも連れ出してしまい。俺は街に一人ぽつーんと取り残される。他の顔なじみのナンパ師も連れ出したのか見当たらない。
　みんな完ソロが基本なので誰が女を連れ出そうと関係ないが、若干の焦りは生じる。時刻は午前2時を過ぎていた。
　俺は○○街で声掛けをすることにした。ここの難易度は高い。場所の見極めが出来ないうちは立ち入ってはならない。
　何人か声を掛けるが、上手くいかず…。俺は自分のスペックの甘さを痛感した。
　気の抜けた格好でも即れてしまう…。「俺は俺のやり方で今まで即ってきたし、ホストの経験もある。俺はこの街に慣れている」と驕りがあった。
　しかし、ホストと比べられてしまうと、見劣りしてしまう。もしも、ホストにも興味のない普通の女を即るなら今のままのスタイルの方がやりやすい。

「でも、この街で即ろうとしているのは、ホスト好き、イケメン好きのビッチだろう？　なぜ、それに合わせようとしないのだ？　お前の今の自分でも即れるだろう…って、プライドがこの街の性質を見落としている…」と頭では分かっていながら俺は雑なナンパをしてしまう。

「まだ20人くらいしかナンパしていない。圧倒的に声掛け数が足りないな…」とナンパは確率であるのに動けない自分を歯がゆく思った。

　俺はno.76に会えることを心のどこかで期待していた。それが女を連れ出すことへの足枷にもなっていた。
　情に流されやすい性格に嫌気が指す。別に愛してもいない女がどうなろうと知ったことじゃないだろう？　ホストに嵌ったバカな風俗嬢だ。堕ちるところまで堕ちていけばいいさ。
　
　
　
　途中、以前Twitterを通して合流したYさんと会う。コンビでナンパをしたり、○○街でもナンパ。Yさんが引き止めた女と和んでいるので、俺は他の女を探すことにした。ふっと、ホテルの出口で泣きながら電話をしている女が目につく。デリヘル嬢のようだった。
「大方、ホストに電話して泣かされているのだろう」と、思いやり過ごそうとした。電話越しに泣かされる女、こんな光景、この街ではよく見る。
　その女が突然倒れた。周りの人たちは驚いていたが駆け寄る者はいなかった。これもこの街ではよく見る光景。俺もホストに泣かされる自意識過剰なバカ女と思って素通りしようとしたが、どうも様子がおかしい。
　　
　駆け寄ってみると、咳き込んでいて呼吸が苦しそうだった。この症状は過呼吸だとすぐに分かった。以前、交際していた女も過呼吸で倒れることがあったから。
　彼女はホストではなく警察に電話をしていた。明らかにデリヘル嬢。客に恐い思いをして、発作が出たのだろうか？　こんな思いをしてまで風俗をやる理由はなんだろうな。
　警察にここの住所を伝えて来て貰うことにした。この異変に気が付いた風俗嬢や見た目の恐いおっさんも駆けつけて対処してくれた。
　夜の住人は優しかったりする(●´ω｀●)